糸岡 富子(いとおか とみこ、1908年〈明治41年〉5月23日)は、日本のスーパーセンテナリアン。現在116歳の兵庫県芦屋市在住の長寿の女性。2023年12月12日以降長寿日本一となっており、2024年8月19日より、存命中の世界最高齢になった。
大阪府大阪市北区出身。呉服問屋を営む矢野禎助(または常三郎)の長女として生まれる。小学校卒業後、ウヰルミナ女学校(現:大阪女学院中高等学校)に進学し、バレーボール部に所属する。1926年(大正15年)女学校を卒業後、1928年(昭和3年)に羅紗商を営む糸岡健司と結婚。2人の娘と2人の息子をもうけた。
戦時中、韓国で繊維工場を経営していた夫に代わって、一人で日本の事務所を守り、子育てをした。1979年に夫が亡くなった後、夫の故郷である奈良県に約10年間一人暮らしをしていた。その間、奈良県と大阪府にまたがる二上山を登るのが好きだった。また、御嶽山を2回登った。登山靴ではなく普通の靴を履いていたため、ガイドは山に登ったときに驚いていたという。1990年に芦屋市に移住し、80代頃に大阪33観音巡礼(33寺院巡礼)へ2回参加し、100歳の時には芦屋神社の長い石段を杖なしで登り、礼拝した。奈良県の薬師寺を何度も訪れ、経を書くのが好きであったという。2019年に特別養護老人ホーム「Les芦屋」に入所した。
2022年4月30日、兵庫県最高齢だった当時115歳の匿名の女性が死去し兵庫県最高齢者となり、同年5月21日、114歳の誕生日の2日前にGRGによって年齢が確かなものとして認定された。また、2023年2月6日に岡井ヤスエが死去し、日本人としては、最後の1908年生まれとなっている。
2023年12月12日、巽フサの死去により、115歳203日で日本最高齢となった。
2024年8月19日、マリア・ブラニャス・モレラの死去により、116歳88日で世界最高齢となった。世界最高齢となったことに際し、糸岡の居住地である芦屋市長の高島崚輔は「健康寿命は兵庫県で一位。糸岡さんのように、元気で長生きされている先輩の存在は、私たちにとっても大きな励み」と祝福した。 |